レンズの話




最近、単焦点の35mmばかり使っている。
それなりに近くに寄れるし、広角だから遠景も広々と写せる。身体を使って寄ったり離れたり動くのもいい。
広角なのでどうしても寄り切れないときもあるが、そのときは被写体と縁がなかったとあきらめる。
一眼レフを使うようになってから、レンズがいろいろ欲しくなり、
気がつけば単焦点だけで24mmから100mmまで一通り揃えてしまった。
それに加えて、ズームが2本。さすがにこの頃はレンズ欲しい熱も収まった。


街を撮り歩くには身軽な方がいい。
その点、この35mmは手持ちのレンズで一番軽いし都合がいい。
街中をさっさとスナップしていると、居合い抜きのイメージが重なる。
それに比べると望遠はライフル。ぐっと構えて、ずどんと撮る感じ。たまにはそんな望遠も使いたくなる。


35mmはそれなりに広角でありながら、ものが自然に写せる。
これよりさらに広角になると、どうもゆがみが気になってしまう。
それから、撮りたいものがどうしても小さくなりがち。
広角は一歩踏み込んで撮れって言われるし、なかなか扱いが難しい。


50mmはというと、良くも悪くも標準レンズで。
寄ってよし、引いてよし。でも、もうちょっと広く撮りたい。
微妙な差なんだけど、この差が長く感じてしまう。
どうも、どっちつかずの中途半端で、結局、持ち出す機会が減ってしまう。


さらに85mmに行くと、こちらはなかなかおもしろい。
ここまで来ると、もう広く写そうとか考えない。ずぼっずぼっと、ねらい打ち。
撮りたいものがどーんと画面一杯に来るから、撮っていて気持ちいい。
85mmはわりと性に合っているが、いかんせんちょっと重い。もう少し軽ければ…


画角一つとってもいろいろ個性があっておもしろい。
基本、単焦点万歳だけど、ズームに行ってしまうと、やっぱりズームって便利!と思ってしまう。